そのイケメン、オタクですから!
茶髪を揺らして学校に通う日を思い浮かべる。
バイトOKになっても茶髪は禁止だけど、そこは妄想だからいいでしょ。

屋上に呼び出されて告白とかされちゃったらどうしよう。
青春あるあるだよね。

「ナナ、俺と付き合えよ」
……ん? 今私、誰を想像した?
しかも何でナナ?

「お前の為に苦労して校則変えてやったんだろ。俺だけのメイドになれよ」

「ちがーう!」
思わず声が出てしまった。

「ニヤニヤして、妄想楽しそうだな」
冷ややかな目の及川先輩と目が合った。

桜井先輩の目が笑ってる。
よっちゃんが「留愛頑張ってたから、疲れてるんだよね」ってフォローになってないフォローをしてくれた。

「は、早く公約が実現出来るといいですねー」
ごまかすように言ったら、及川先輩が冷たく言い放った。

「それよりまずは期末テストだろ。生徒会は成績上位じゃなきゃ退会だぜ。お前、大丈夫なんだろうな?」

……。
今、何て……?
< 51 / 193 >

この作品をシェア

pagetop