ラクガキキャンディ



ミツと暮らし始めてから3週間も経ちいつの間にかミツがいることが当たり前になり始めていた。
家に明かりが付いているのは凄く有難くて
ただいまとかける声が毎度浮ついてしまう、嬉しいんだ、ただ誰かがいる生活が
待ってくれている生活が。



「ただいま」

俺のその言葉に必ずミツは反応し飛んでくるは「おかえりなさい!蒼介!」

飛んできたのは元カノの
「茅野!?なんでここにいる?!」
茅野早紀、まあまあ好きだったかも?
そんな事より
「ミツは?」「あの子なら追い出した!」


は?と早紀の言ってる言葉が理解出来なくなり走って中に入るとミツのカーディガンだけが乱雑に脱ぎ捨てられていた
「まさか蒼介が付きまとわれてたとは思ってなかったよ〜でも大丈夫!もう追い出したよ!」

「テメェ、なにしてくれてんだ。ミツに何した?」
「ちょっと、殴ったらすぐ出てったよ?」

気付いたら女の話より先に足が出ていた
ミツを探して
灯台もと暗しとはまさにこのこと。
ミツは俺のマンションの駐輪場に隠れて震えていた、気づけば俺はそんなミツを抱き締めていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、そうすけ、」
「なんで謝んだ。」

「私邪魔してた、蒼介優しいからきつく言えなかったんでしょ?」


「ンなわけねーだろ。ミツ、お前が好きだよ。」


振り続ける雨音で聞こえなかったのかミツはへ?とはてなを浮かべたまま笑っていた。
その赤くなった頬にミツを守りたいと痛いほどに抱き締めていた。
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