クリスマスのお話
クリスマスはサプライズが定番なのですよ



「豹くん豹くん豹くん!!!」



相手の仕事が終わったのを見計らって飛びつくようにデスクに張り付くと、透き通った氷みたいに綺麗な輝きを持つ黒い瞳がわたしを映した。


あぁ、いつ見ても本当に素敵。オニキスみたいに黒いのにダイアモンドみたいに煌めいて、その静かな光はサファイアの如し。


もうもういつ見てもたまりません。見飽きないなぁ。


うふふ、と見つめていると微かに訝しげな顔をする豹くんにおっといけないと本題を思い出す。


他の人から見たら変わっていない表情でもずーっと見ていたわたしならわかる変化に頬が緩む。えへへ、わたしすごい。



「豹くん!今日はなんとクリスマスイヴ、の2日前です!」


「あぁ」


「というわけで豹くん!クリスマスデートの予約を申し込みます!」


「(というわけで……?)」



ワクワクソワソワと豹くんの瞳を見つめる。


最近はずーっと仕事が立て込んでいててんやわんや、会える時間だって少なくて電話ぐらいしかできなくて。


とりあえず山は過ぎてやっと会えた。まぁ仕事が一段落するまで来るなと遠まわしに言ったのは豹くんなんだけどね。


言われたときには泣きそうになったけど(実際ちょっと泣いたけど)おかげでマッハで仕事終わらせられたし!豹くんからの愛の鞭だね!



「デートか」


「うん!デートです!」







< 1 / 19 >

この作品をシェア

pagetop