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 今日も朝早くから両親はどこかに出掛けていて、僕が起きた時にはもうすでにその姿はなかった。

 自分の机の上に置かれた学校用のカバンが視界に入る。……どうせ家にいたってヒマだし、遊びに出掛けてもまた怒られるんだろうし、たまには学校に出向こうかな。

 あまり気乗りはしなかったけれど、のそのそと制服に着替えてカバンを持ち、学校に出向くために家を後にした。

 自分の家から学校までかなりの距離がある。通学用のバスは無いし、お金かないので電車に乗ることも出来ない。散歩のような感覚で長時間も歩いていて、ようやく学校についた時には昼になっていた。

 学校につくや否や、僕とすれ違う人はみんな、ギョッとした表情を浮かべて凝視してくる。中には何やらヒソヒソと小声で話し合っている様子も見られた。……久々に登校したからって、そんな腫れ物を扱うような仕方をしなくてもいいのに。

 もう少しで自分の教室だというところで、ひとりの男子生徒に声をかけられた。


「お前……もしかして、春夏秋冬(ひととせ)か?」


 僕の名字を口にする彼。どうやら僕のことを知っているようだけれど、僕には彼が誰なのか分からなかった。久々に登校したからかな?
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