それが辛くても愛してるから
指定された場所に着くと、走ってくる
男が車に飛び乗った。中年の変装をした、masterだった。masterの足には銃で撃たれた跡があり、私は急いで車を出した。

「master大丈夫ですか!?家まで持ちますかね?」

masterは呻き声を少しあげ、乗った時の体制から少し体を前のめりに動かした。

「大丈夫です。見た目ほどひどくはないですよ…。でも、しばらくは使いものにならないですね。しくじりました…。」

ひとまず、masterにピコ山の家に帰ると伝え、masterに車に積んであった、毛布を渡す。

「ふぅ…。また、どこか別の場所に移らないといけないですね。目星がついているところはいくつかあるんですが、この足では、当分動けませんね…」

仕事をしくじったら死。これは殺し屋の暗黙のルールみたいなものだ…。
仕事というのは、金を積む依頼者から始まる。その依頼者というのも、厄介なもので、私などの手練れなどに事を任せる奴というのはソコソコの権力者ばかりだ。例えば、表立って殺しを出来ない王族とか、マフィア内の抗争なんかにも、駆り出されたりする。
masterと目が合い、そのまま、我慢がきかず、masterの口に口付けた。本当に心配をさせてと、そのまま私は運転をしながらmasterに怒鳴り続けた。

「masteが居なくなったら殺しに行きますから…。弟子に殺されるのは嫌でしょう?」

「そうですね…。嫌です。嫌なら生きろとでも言いたいんですか?つくづく甘いですよ。あなたは…」
masterは、を撫でてくれる。それに安心していると
ピコ山の家に着いた。masterを、背負い、家まで運ぶ、マスターとは、体格が一緒ぐらいなので、なんとか運べるようにはなっている。

「うぅ…。いっ…。ゔぅう…。」

masterの痛みのせいで濁る声を聞きながら、私は一生懸命止血をする、masterが打たれるのはこれが初めてと言うわけでもないのに、この瞬間にはいつまでたっても慣れない。

「master。血止まって来たので縫いますね。
すごい痛むと思いますけど堪えてください。布を噛んでてください。」

私は、医師免許も看護免許も持っていないが、仕事上このような事には慣れてしまっていた。masterの肌を縫うのもこれが初めてじゃないし、私も傷の一つや二つカクジツのに残っているものもある。

「ゔぅぅぅう‼︎‼︎あ”ぁぁぁぁぁぁあ!」

痛みに耐える声が上がる。こんなに声を出しているのに足は我慢で一つも動いてはいない。
こんな時に私は思う。masterはあらゆる痛みに強い日なんだなと…。

「master!master!終わりました。眠ってください。もう大丈夫です。明日の…って、寝ちゃってるし…!でも、良かった…本当に良かった…master…もう怪我しないでください。」

masterがこうやって傷が増えていくたび、私は、祈る、人を殺して来た私が願って意味がないかもしれない…。でも、届いて欲しい。
私はどうなってもいい…。生きて欲しい…
どうか!どうか!と…
< 6 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop