俺様副社長のとろ甘な業務命令



言いかけた私の声を遮ったのは、横にいる副社長だった。

思わず真横に立つ姿を見上げる。


「斎原は昨日、午後から半休を取っていました。体調不良で」

「えっ?」


えっ?


躊躇なく出てきた身に覚えのない内容に、心の中で山城部長と全く同じリアクションを取ってしまう。


「体調不良……斎原ちゃん、そうだったの?」

「え、あの……」

「昨日、デザイン案の件を受けたのは私です。帰宅していた斎原から部長から連絡があったことを聞いて、遅れた対応になりご迷惑をお掛けしました」

「あ、あそう、そうだったのか! それは、全く知らなかった。斎原ちゃん、悪かったね」

「申し訳ありません。以後、気を付けます」


バツが悪そうに笑う山城部長に、副社長は表情一つ変えず丁寧に頭を下げる。


一体……何で?

そんな思いでいっぱいになりながら、ひらひら手を振って会議室を出て行く山城部長に頭を下げた。


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