俺様副社長のとろ甘な業務命令



「じゃあ、この中から今回の新商品のモデルを決定したいと思います。斎原、お願い 」

「はい。では、選ばせていただきましたお一人ずつ、簡単に説明させていただきます」



夕方、十六時過ぎ。

広報宣伝部の会議室にて、今回の新商品のモデル起用の決定会議が行われていた。


部長や課長を始め、一つ下の階にある営業部からも営業部長と新商品担当の数人が会議に参加している。


昼休み、昼食を取りながら各モデル候補の今後の露出状況を調べ上げた。


新商品が発売になる頃に、候補の女優やモデルがどんな仕事でメディアに取り上げられることになるかは、商品の売れ行きにも大きく影響してくる。



「どの候補も今回の新商品のコンセプトに合う、販売ターゲット層に大変人気がある女優、モデルです。中でも樋口朱里(ひぐちしゅり)は前期の朝ドラにも出演していて、今年は人気少女コミックス原作の映画で主演を務め、女子中高生をはじめ若い世代の女性に絶大な指示を得ています。来年は主演ドラマや映画が数本決まっているそうです」



最終的な候補に絞ったのは四人。


中でも、一番今回の新商品のイメージにぴったりだと私が推しているのが、女優の樋口朱里だ。


昨年、流星の如くメディアに現れた彼女は、瞬く間に人気女優の座に上り詰めた。

どこにでも居そうな身近な女の子、という雰囲気を持ちつつも、圧倒的な輝きを放っている存在感。


彼女が新商品のイメージモデルになれば、話題性はかなりあると踏んでいる。


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