俺様副社長のとろ甘な業務命令
「そうか。それなら仕方ないな」
「はい。それにしても本当に売れっ子なんですね。ちょっと会えるの楽しみにしてたんですけど」
それに対しての返答がなく、チラリと顔を向けてみる。
副社長は無反応で、真っ直ぐ前を向いたままハンドルを握っていた。
「あ、副社長は佐田アヴェリー推しでしたもんね……興味無しって感じですか」
「個人的に推薦したわけじゃない。ビジネス視点の意見だ」
「そうなんですか? とか言って、本当はああいう綺麗なハーフの子がタイプだったりして」
「ご想像にお任せするよ。そうかもしれないな」
軽く受け流されて、ネタを持ち込んだことを後悔する。
たまには逆にいじってやろうと思ったのに、これじゃあ聞きようによっては私が副社長のタイプを探ってるみたいだ。
考えすぎかもしれないけど……。
週末の浮かれた道路は、時折渋滞をしながら帰りの道を走る。
いつの間にか陽も落ち始める時間へと差し掛かっていた。