俺様副社長のとろ甘な業務命令



早朝から始まった休日は、あっという間に昼下がりの時間を迎えていた。


デパートを出てから、せめてランチくらいご馳走させてもらおうと提案してみたけど、コーヒーだけでいいと言われて通りがかったチェーンのカフェに立ち寄った。

しかも、またあっさりと会計はされてしまい、出る幕なし。

ワンピースのことが尾を引いているせいか、お茶代ですら気まずさが募った。


再び車に戻ってからは、会話は週明けからの業務のことが続いた。


商品が上がってきたら、各種撮影が立て続けに行なわれていく。

それに伴って外部との打ち合わせもひっきりなしに入ってくるし、商品発売までは毎日残業を覚悟しないといけないことが予想される。


「そういえば、樋口朱里ですが、撮影日まで本人に挨拶するのは難しいみたいです」


会議でモデル起用が決まった樋口朱里は、無事に今回のオファーを受けてくれることになった。


先週、一人所属事務所に出向いたけど、事務所の社長に挨拶をする形になり、肝心の本人には多忙のため会うことはできなかった。

スケジュールの調整が難しくらしく、撮影当日までは顔を合わせるのは厳しいと言われてしまった。

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