夫の真実


俺は、真っ白な美保の頬に手を当てた。

何が起こったのだ!と言う思いばかりだった。

赤ちゃんは、残念だったが、まだこれから授かることはできる。しかし、唯一の存在である美保が心配だ。

意識が戻っても、赤ちゃんのことを知らせるのは、可哀想で辛い思いをさせてしまうだろうな。

「要、とりあえず家に帰って、着替えてくれば。」

「わかった。直ぐに戻るよ。この後は俺が付き添うから。」



俺は、一旦家に戻った。

そこでプライベート用の携帯が、テーブルに置いてあるのに気づいた。

おかしいな。会社に忘れたとばかり思っていたのに。

誰かが届けてくれたのか?いや、それはない。

とりあえず充電をした。

その間にシャワーを浴び、着替えて病院に行く準備をした。

携帯を開くと、俺がオーストラリアに発つ日に、美保への発信履歴があった。その後、2件の着信履歴。一美からだった。

俺、あの日美保に連絡したかな?

いや、してない。

あの日、オーストラリアへ行くことになり、帰宅して、携帯を会社に忘れたと思ったのだ。

誰かが、俺の携帯を使って美保に?

暫く、思い出しながら、携帯の行方について考えた。

そして一つの結論に行き着く。

一美だ。間違いない。

俺は、一美に連絡をした。
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