夫の真実
オーストラリア出張と新婚旅行


【美保sights】

パーティーの後、帰宅する車の中で、二人きりになれた。

運転手の川合さんは、いるけれども。

「要さん、すみませんでした。大竹さんに対して生意気な態度をとってしまいました。」

「いや、構わないよ。美保の言うことはもっともな事だから。それよりも、美保に嫌な思いをさせてしまい、すまなかった。彼女とは……」

「要さん、私と出会う前にお付き合いをしていた方々については、何も言わなくていいです。」

「しかし、」

「今更、聞いてもやり直すことはできないのですから。でも、今後は、許しません、決して。」

私は、真っ直ぐに要さんを見て、自分の気持ちを確かめるように言った。

私は、要さんの妻だ。

一番そばにいて、近い存在。

要さんは、私の物だ。誰にも渡しはしない。

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