夫の真実


一目惚れの上、話も合う彼女に、もうすっかり嵌まってしまった俺は、直ぐに交際したいと、返事をした。

3日後、彼女からも、お付き合いしたいと言う返事をもらい、俺は、絶対に結婚すると、固く決心した。


それから、忙しい中を時間を遣り繰りして、彼女とのデートを重ね、クリスマスには、プロポーズしていた。

世間で言う、トントン拍子だ。

彼女は、長女だが、大学1年の弟がいて、嫁ぐことには問題がなかった。

弟くんは、今は、アメリカに留学していて、結婚式まで会うことはなかったが、シスコンらしい噂を聞いていた。

結婚式で会った弟の英人 (ひでと)は、挑戦的な態度で、あからさまに嫌な顔だった。

シスコンは本当の話のようだ。

これからどう付き合うか。

こちらは、大人対応でいかなければならないと思いながらも、美保を挟むと、男としての嫉妬心がむらむらと沸き起こってくる。

ともかく、美保は、俺の唯一の妻だ。そう、もう俺の物なのだ。



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