私の彼氏は超肉食系
「貴女たち盾ね。知ってる? もうすぐ『中田』さんが顔を出すの。貴女たちがこんなことに加担したと知ったら、どうなると思う?」

右奥に居た『中田』さんがバラエティー番組に出演していたタレントふたりを引っ張り込む。

3時間の生番組のうち、開始1時間後から1時間ほどが彼の出番らしいことは聞いているのだが入り時刻までは知らない。

「なっ。なんで私が貴女の味方をしなきゃならないのよ。」

片方の女は良く理解できなかったようで反論してくる。

もうひとりは固まったところをみると番組を降ろされる可能性があることを理解できたみたい。

「いいのかな。『中田』さんと私の仲は知ってるでしょ。今2つほど好きな番組を選べって言われているの。貴女たちのレギュラーを奪ってもいいのよ。」

そう言って笑いかけると彼女たちの顔が真っ青になっていく。

『中田』さんは、あきえちゃんとの逢瀬のお礼にレギュラーの座を約束してくれている。

本当は受ける気は無い。

芸能事務所の社長の手前、医大生の勉強の状況を見てと保留にしてもらっているのよね。

レギュラーを奪えるかどうかまでは分からない。

「貴女と貴女は『お菓子屋』さんの番組の準レギュラーよね。レギュラーの座が欲しいでしょ。私の一言は欲しくない?」

更に畳み掛けるように左奥に居た女性ふたりを引っ張り込んだ。
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