私の彼氏は超肉食系
「『西九条れいな』さんに謝っていって。」

「ああ。そうだな。『西九条』さん、随分と酷いことをしてしまった。この通りだ。」

男は、意外とあっさり謝る。

それも丁寧に90度折り曲げた最敬礼である。

なんだろう、この違和感。

「はい。」

私は謝罪を受け取ったことを表すしかできない。

「ありがとう。本当にありがとう。あいつああ見えて泣き虫だから、慰めてやってくれ。彼女のことよろしく頼むな。」

男は笑顔で、まるで次の男に引き渡すかのようにそう言い添えると、そそくさと扉から出て行った。

『ヒャッホー! 僕は自由だ!! 自由になったんだ!!!』

廊下から、飛んでもない叫びが聞こえてきた。

どういうこと?

社長も解任され、ほとんど無一文で追い出されたわけじゃないの?

私が振り返ると東山さんが抱きついてくる。

「ごめんなさい。しばらくでいいの。一緒に居て。」

拒絶できるはずも無い。
< 203 / 307 >

この作品をシェア

pagetop