私の彼氏は超肉食系
女優『一条ゆり』が半ば強引に私を個室に連れ込む。

衣装室の数少ない個室を1日借り切っているらしい。

「また地味なのを借りたのね。和重くんの婚約者役にしても地味すぎるわよ。私が見立ててあげましょうか?」

『西九条れいな』として動くなら、胸元が開いたドレスでも新婦よりも目立つ格好でも構わない。

だけど今日は違う。

「やめてください!」

思いのほか大きな声が出てしまい自分でも驚く。

「どうしたの?」

「ごめんなさい。今日の新郎は私の後見人なんです。できるだけ大人しい格好にしたいの。」

「大切な人なのね。元々の貴女のイメージからすると『西九条れいな』は掛け離れているものね。そう。それならば、いいものがあるわよ。これなんかどう?」

彼女が自分の衣装ケースから1着のドレスを取り出す。

流石は清純派女優、いろんな衣装を持ち込んでいるのね。

確かにこのドレスなら汚い自分を覆い隠してくれそうだった。

「これはね。私が映画のオーデションで着たドレスなの。これで第1作目の主演を勝ち取ったのよ。もう着る機会は無いんだけど、いつもお守り替わりに持ち歩いているの。」

「そ、そんな大切なもの着れません。」

「志保さんにとって、今が『ココ一番』なんでしょ。なら着るべきよ。」

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