私の彼氏は超肉食系
「それは深刻ですね。早く病院に連れて行ってあげてください。薬で抑えようにもここに抗菌剤はありませんし。」

「君は医者なのか?」

しまった!

つい専門的なことを喋ってしまった。

「いいえ。単なる医大の4年生です。何度か臨床現場で腹膜炎の症状を見ているだけですから、治療行為はできません。」

「それでもやってもらわなくては困る。」

やっぱり、そう言うよね。

「『医師法第17条 、医師でなければ、医業をなしてはならない。』というのがあってですね。犯罪行為なんですよ。」

「大丈夫だ。君は腹膜炎に効く薬がどれかを教えてくればいい。私の判断で殿下に投薬をする。車に医療キットが積んであるんだ。な、頼む。」

「はあ。それくらいなら。でも、一筆書いて頂けませんでしょうか?」

最悪、受験資格の審査会でこの人に証言してもらえばいい。

「ああ。なんでもする。」

八條さんは監督が手渡した紙に手馴れた様子で自分が命令したことを記載していくと懐から朱肉を取り出して拇印を押した。
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