私の彼氏は超肉食系
伯父の手から拳銃が滑り落ちる。

何を思ったか突然、伯父が私の前で地べたに手をついた。

「頼む。頼みます。お願いします。殿下を助けてくれ! 藤原家も八條家も摂家も公家も関係無い。ひとりの日本人として、殿下を助けたいんだ。この通りだ。」

伯父は床に顔をこすりつけながら土下座している。

公家は関係無いと言いながら、日本人や殿下という。

どこまでいっても頭から皇族が離れないらしい。

一星テレビの元社長といい伯父といい、何故男という生き物はこうなんだ。

初めから頭を下げて頼もうと思わないのか。

「殿下はどうなんですか。人生を懸命に生きるつもりはあるんですか?」

どんな手術であれ、気力が一番大事である。

本人に生きる気力が無ければ失敗してしまうだろう。

そんな人間になど、人生をかけてまで助ける価値は無い。

「ああぁ。君のような女性に出会えたことこそが幸運と言えるだろう。」

何を言っているんだろう。このひと。

「何が何でも生き抜いて幸せになってみせる。私を助けて欲しい。君に命を預ける。お願いする。」

そう言って、おそらく皇族以外には下げたことが無いであろう頭を下げた。

「その言葉を忘れないでくださいね。殿下、精一杯やらさせて頂きます。」
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