私の彼氏は超肉食系

最低な結末

翌朝、『一条ゆり』と待ち合わせをして、裕也が入院している病院に向かった。

入院は伸吾さんが付き添い、一般病棟の特別室に入ったみたい。

特別室がある階のナースセンターに行き、病院の設備について話を伺った。

私の母が入院していた頃と変わりはないようだ。

精神科の先生が今後の治療方針について、話があるそうなので身内とは言えない私は遠慮する。

まあ、以前のように欲望を抑えるための注射を定期的に行うことになるのだろう。

ものの数分で終わる話だ。

私はナースセンターで教えてもらった病室に向かう。

おそらく朝食のときに出された精神安定剤で、うとうとしているところだろう。

裕也は起こさずに病室で『一条ゆり』を待っていればいいか。

病室のスライドドアを静かに開けるとスルリと入り込む。

「あれ、起きていたのね。調子はどう?」

裕也が居ると思っていたベッドは空で奥に目を向けるとひとりがけのソファに腰掛けていた。

明るい日差しが入ってきているので、表情は読み取れない。

こんなところに隠れていなくてはいけないことに不貞腐れているのだろう。

返事は無い。
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