私の彼氏は超肉食系

耐えられない日々

「『泊めて頂けませんか?』」

これは『一条ゆり』の主演映画5作目『花の香り匂い立つ』での名セリフ。

彼女は惜しまれつつもこの作品で芸能界を引退して某財閥の御曹司と結婚した。


ここはバイト先だった喫茶店の店長である井筒和重のマンションの部屋の前である。

「・・・お前。・・・なんでここに。」

彼がドアを開けた瞬間に近寄り、後ろから抱きついて今のセリフを言ってみた。

映画の中のシーンもこんなシチュエーションだったはず。

彼は顔を真っ赤にしながらも声を絞り出すが、頭が真っ白のようで私が更に近付いても微動だにしない。

「ん・・ぅ・・ふ・・・ちゅ・・。」

私が彼の首に巻きつき強引に彼の唇を奪うと私を抱き締める力が強くなる。

彼も無意識に映画のシーンをなぞっているらしい。

そのまま、私は彼を部屋に連れ込むとベッドに押し倒した。
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