続*おやすみを言う前に

キス。

あったかい唇がふれて、拓馬の濡れた髪から落ちた雫が頬を撫でた。

前に私のお風呂上がりが云々言っていたが、男の人も湯上がりが一番艶かしい。気がする。


「襲ってええってことやんな?」


言うが早いか、拓馬の手がワンピースの裾をたくし上げて、腰の辺りにふれる。一瞬、温かく感じたけれど、すぐにふれられているところに熱が集中して。


「髪濡れたまま。」

「麻衣子をこのまんま置いといたら風邪ひかしちゃうやろ。」

「ドライヤー五分くらいでしょ。大丈夫。」

「なんやねん、誘っといてツンデレか。」


二回目のキスは長くて、拓馬の片方の手が背中から前に回ってくる。ひらひら波打つワンピースがくすぐったい。


「がんばってくれたん、めっちゃ嬉しい。ありがとな。」


淡いオレンジ色のライトが照らす、大好きな人の笑顔。

世の中の女の子も皆、大好きな人に喜んでもらいたくて行動しているのかもしれない。



三回目のキスは、ベッドの上で。






DAY 2. END
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