気づけよ…馬鹿

伝えた言葉

私は背中におぶられたままだった

「秀太…ありがとう。」

「別に。」

やっぱりちょっと冷たい

多分秀太はあの女の子と付き合ってるのかな…?

私は幼馴染。ただそれだけって…

ガラッ

保健室のドアを開けると
マラソン大会の方に行ってしまったのか先生は居なかった

秀太は私をイスに下ろすと
湿布を取り始めた

「秀太…ごめんね…」

「別に…城川居なかったしな。
お前らお似合いなんじゃね?
頑張れよ。」

っ…..秀太からその言葉聞きたく無かった。
『お似合い』『頑張れよ』

やっぱり秀太は何とも思ってくれてない…そうなの?

「じゃあ俺行くな。休んでろよ」

一度も目を合わせずに離れてく秀太

嫌だっ…

断られても伝えたい
気持ちだけでも届いてほしい…

ガラッ

秀太が出て行くその前に
私は叫んだ

「秀太!!! 馬鹿…好き…」

私は大きな声で叫んだ

顔は涙でしわくちゃに…
でも構わない…

だって…伝えたいから。

秀太はこっちを見ずに固まっている

「秀…太?」

「…お前本当に俺のこと好きなんだな..?」

秀太はこっちを向かない…

でも分かる。困ってるんだ

「ごめん…俺」

「やめて!!!…良いの分かってるよ?
あの…女の子と幸せにね.?」

今の私はとても笑えていると思う

そう言って私は保健室を飛び出した…

痛かった足は全然痛くなくて…

胸が張り裂けそうなくらい痛い…

私は涙でぐちゃぐちゃのまま
走り続けた

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