【完】『けったいなひとびと』
こうした経緯で花輪屋の一連の騒動は決着をみたのだが、
「これだけかき回されたら、ねぇ…」
と紫が柏木にこぼしたように、護が原因で花輪屋の社内はぐちゃぐちゃの混乱状態にされてしまっていた。
秘書室も、例外ではない。
とりわけ新しく社長となった本間宗家の当主は病勝ちで、ほとんどが執行役員の合議で決められていたが、何しろ意見がまとまらない。
「こんな会社にいても、先はないかなぁ」
などといい、舞は辞めることすら考え始めている。
そうしたなか。
紫はさとみと舞と連れ立って、柏木のお好み焼き屋に集まった。
「…あのさ、考えてることがあるんだけど」
「何?」
さとみは覗き込んだ。
「…伊福部くんに戻って来てもらえれば、打開するんじゃないかなって」
さとみは仰天した。
「ちょっ…それは難しいんじゃないかなぁ?」
「そうかな?」
紫には何か案があるようであった。