全てをこの風に乗せて
羽柴花織(はしばかおり)の朝は遅い。

けれど、今日は違う!

朝ごはんの机で詩織に

「お姉ちゃん!?起きて大丈夫なの?」

と言われた朝7時。

これなら美天たちの電車に間に合うはず!









「で、珍しく早く来たんですね」


電車の中で

“クラスの人に手紙の返事をどう渡すか”

美天に相談したら呆れられてしまった。


「普通に話に行けば、どう?」

鈴音ちゃんの意見は…ちょっと難しい


新しいクラスになってから1度も教室に
行ったことのない私が急に行ったら…










怖い










「下駄箱に入っていたのでしょう?」

「……え?う、うん、そうなの」

学校の門が見えた時、急に美天が言った。


「なら、下駄箱に投函してみては?」

「と、投函…?」


雲が晴れた気がした。


「下駄箱に手紙を入れてみてはどうです?」

「い、意味は分かってるよー」

むすーとした顔だったのだろう
鈴音ちゃんが頬を掴んできた。

「ぶちゃいく花織ー!!」

あははと笑う。

釣られて笑顔になってしまう。


「ありがとう、美天♪鈴音ちゃんも♪」


二人のおかげでいつも空が綺麗…

綺麗な青空♪





手紙は皆の授業時間にそっと

18番 高木(たかぎ)龍太(りょうた)

と書かれた下駄箱の中に入れておいた。
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