君の星、僕の星
アパートを出たと同時に、夜の匂いを含んだ冷気が容赦なく顔に突き刺さってきた。
ブレザーの下に着ているカーディガンを引っ張って手を隠し、首に巻いたマフラーに顔を埋める。


最終バスまでの時間を逆算しながら、少し早足で歩く。


ただし学校に残っていたという言い訳がギリギリ通る、という意味での最終だ。

家でも決して親に逆らったりしない私。
その嘘が疑われた事は一度も無かった。



バス停横のベンチに座ってバスを待つ間、さっき貰ったばかりのブレスレット……もといアンクレットを眺めていた。
手首に填めたまま、何度も指先で撫でてみる。


「あの占い、ほんとに当たった……」


胸の奥。
手の届かないところがこそばゆい。

笑った口元から覗く、先生の八重歯を思い出す。




そういえば、
先生の誕生日っていつだったんだろ。

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