君の星、僕の星
街灯が灯り始めた街の中を、闇雲に突っ走る。
自分がどこに辿り着けるのかわからなかった。


『俺って、お前の何なの?』


達也の声が後ろから追いかけてくる。
振り切ろうとしても振り切れないほど、鮮明に耳に残っている。


あの日の私は何も答えずに、そのまま部屋を出てきた。
それきり達也からの連絡は無い。



『デキ心の恋』。

瀬戸さんにしてみれば、まさにその通りだったんだろう。



私の浮気を、達也は知っていた。
それでも会いたいと言ってくれた。

きっと自分が思っている以上に
達也は私を見ていてくれた。


達也に愛してもらう資格なんてとっくに失っていたのに。


「……っ」


涙が溢れて止まらなかった。



何やってるんだ。
何やってるんだ。

何やってるんだろう。
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