あなただけだった
最終章
直也との現実を知り、自分の中を洗い流すかのように泣いたあの日。


あれから暑い夏が5回過ぎた。



『俺、ユカコに本気で惚れてたんだ。』


人伝いに酒に酔った直也がそう言っていたと聞いた。

直也の性格上、お酒の力がないとそんな事言えないだろう。




直也。


私達、すれ違ってばかりいたんだね。



私は直也を愛してる。きっと中学生の頃から。



恋には一つの形しかないけれど愛情にはいろんな形があるから…。



お互いあまりにも幼すぎて、それに気付かなかったんだね。



自分の気持ちに気付く事ができなかった。



自分の気持ちを無視して、否定して、押し殺して…。もう少し早く気付く事ができたなら…もう少し自分に素直になれたなら…今、直也の隣には私がいたのかな。




< 45 / 47 >

この作品をシェア

pagetop