癒し恋~優しく包まれて~
それに別れた男を招待するとはなかなか聞かない話だ。

前菜が食べ終わってから、俊也さんを窺い見る。

聞いたら機嫌がますます悪くなるかな。でも、聞いてしまおう。


「別れた原因というか理由はなんですか?」

「へー、興味あるんだ?」

「はい、一応……」


棒読みに聞こえる冷たい返事に萎縮してしまうが、教えてもらいたいから頷く。


「俺もそれを聞いて、今後の参考にしたいです」

「だから、なんの参考にもならないし。理由は、お互いの心が離れたからだよ」

「どんなにお互い好きだとしてもいつかは離れてしまうものですか?」


私の質問に俊也さんは目を丸くする。


「そうよねー。彼女としては気になるわよねー。そこのとこ、どうなのよ?」

「一生を共にする相手だと思うなら、離れることはない」

「それ答えになってないよ。付き合い始めるときにこの人とはいつか別れると付き合う人はいないでしょ? 未来なんて誰にも分からないし、約束出来るものじゃないよね?」

神原さんの意見が正解かもしれない。一生を共にすると誓った夫婦でも、離婚する夫婦はいる。
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