癒し恋~優しく包まれて~
「柊花ちゃん、おはよう」

「萌絵さん、おはようございます」


肩を叩いてきたのは、同じBグループの萩原萌絵(はぎわらもえ)さん。萌絵さんは私よりも4つ年上。

自分の名前をちゃん付けで呼ばれるのが久しぶりで初めは戸惑ったけど、親しみを込めて読んでくれるのが嬉しくて、私も「萌絵さん」と名前で呼ばせてもらうようになった。

萌絵さんは肩より少し長い髪を内巻きにカールさせていて、ふんわりとした柔らかい印象を与える人だ。実際物腰も柔らかくて優しい。

誰からも好かれる人とは萌絵さんみたいな人をいうんだろうなと常々思っている。


「萩原さん、スムージーいかがですか?」

「えっ? あ、今はいいかな。岩田くん、いつも気にしてくれてありがとうね」


岩田くんの突然の差し出しにも優しく笑って対応するところが萌絵さんらしい。

岩田くんはほんの少し肩を落としたが、「ありがとう」とお礼を言われたのが嬉しかったみたいで、はにかんだ笑顔を見せていた。

和んだ空気のする部署に見えるけど、これは業務時間外だけ。始業のチャイムが鳴ると同時にみんなの顔が引き締まる。
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