Pyua love ～そして真実～
昼休み

「昼休みに席、借りてもいいか？」

外山さん達が手を洗いにでも向かったのか、席を外す。


僕は、席に弁当が置かれているのを確認すると、外山さんの前の席の生徒に声をかけた。

僕に声を掛けられた生徒は、少し驚くも喜んで了解してくれる。

僕は外山さんの方に少し体勢を向きつつ、いつもの本を読みながらパンをかじり始めた。

外山さんが戻ってくると、驚きの表情で僕を見る。

「あの・・・なんで、坂上君がここに？」

佐藤さんが弁当箱を持って来るとそのまま同じく僕を見て固まった。

そんなに驚くことなんて無いのに・・・。

「俺もここで食べることにした。」

「「はぁぁあ？」」

僕の言葉に声を揃える二人。


「あの・・・坂上君？ごめんなさい！！」

そう僕に言うと二人は教室を飛び出していった。

当然の反応だろうね。

「ちょっと・・・冬也？何してますの？」

僕は、残ったパンを口に頬張ると本を閉じた。

「なんでもない。」

「え？何処に行くの？」

立ち上がった僕に加藤さんは引き止めようとする言葉をかけてくる。

「何処へ行くとか、いちいち君に言わなくてはいけないのか？」

「い・・・そんな事ないですわよ？」

教室にいても仕方ない。

僕は、少しでも候補がいないかと校内を歩き回る。

この間に、仕事のメールのチェックもする。

トラブルは特に無い様だ。

某国の大統領選挙があって、株価にどう影響が出るかと思ったけど、シモンドグループでは大きな損失もなく、むしろ人事部門での依頼数が増え、夏には落ち着きが戻るだろう。

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