【完】もっとちょうだい。
「だってヤヨ、キスしてって言ってもしてくれないし」



「半分以上応えてるだろ。だいたい芙祐が言いだすときの場所が悪すぎるんだよ」



「細かいわんちゃん」



「誰が犬だよ」



はーぁ。
ヤヨは、真面目。
そういうとこ、好きだけど。


求めてやまない恋心もちょっとわかってほしいのに。



麻里奈ちゃんには、狼……なのに。



あ、落ち込むからやめよう。
いいじゃん、ヤヨは子羊ちゃんで。
うん、可愛い。



「おい」


「なにー」


「拗ねんな」


ぷくっと膨らんでたほっぺは凹ませた。


「拗ねてなんかないよ」



強がってみた。可愛くない。失敗。



「……芙祐」



落ち着いたヤヨの声。


さっきほどかれた手を掴まれて。



「え?」



って顔を上げたら、
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