どんな君でも愛してる
 2メートル弱はありそうな長身なため、瑠璃はいつも以上に見下ろされている。ジョージは鋭い目付きを瑠璃には決して見せず、終止ニコニコしついる。

 少し赤みがかかった髪を短くツンツンと立てているが、セットしてから時間がたったのか、後ろ髪は乱れているところもあるが、いつもの怖さは微塵も感じられない。

「すみません、週末はやること決まってて。」

 やんわりと営業スマイルで断る瑠璃に、構うことなく何度も口説くジョージを奏子は面白そうに眺めている。

「デート?」

 奏子に言われ、瑠璃は"いいえ。人に会うんです。"と笑った。その様子をキョウはただ眺めているだけで、ジョージは勝手に想像して、なんか項垂れている。

 その日の週末にも関わらず、仕事が終わり自分の部屋のエレベーターを降りると、近くのソファーに響介が座っていた。

「お疲れ。」

「どうしたの?髪濡れてるし!」

 響介は、barから速攻で部屋に帰り髪の毛の色を金から黒に戻して、髪も乾かさずにここに来たのだ。

「もう。部屋で乾かして……。猫みたいなんだから。」

 ぶつぶつ言いながらも、突然の訪問に喜んでいる瑠璃は、手を引いて、自分の部屋に招き入れた。

 部屋に入るとすぐに、手をひかれドアに押し付けられ、キスをされる。
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