どんな君でも愛してる
mission5ー高萩浩一についてー
 曖昧な関係ほど上手くいく。

 瑠璃と響介はあの日から、毎週水曜日に瑠璃の部屋で逢っていた。

 水曜日に響介がbarを訪れるが、先に帰るため瑠璃が部屋に帰る頃を見計らって響介は、エレベーターの近くにあるソファーで待つようになっていた。

 普通の外出する一般的にデートと呼ばれるものは一切なく、水曜日朝までベットで過ごすだけ。

 それだけでも、瑠璃は満たされていた。

 傷痕にキスをしてくれた、あの優しい口づけを信じているからだ。傷痕に対して嫌なことを言われた過去があるから、なおさらだ。

 だから、響介が曖昧なまま何も言わないことに安心した。

 直接セフレと言われたわけじゃない。今は、曖昧なままでいたかった。

 今日は週末なこともあり、barでしっとり過ごしたい人でいっぱいであった。

「ルリー。お水。」

「キョウ、ありがとう。」

 未だにキョウが響介と知らないため、瑠璃の態度はツンツンしているが、響介も気にせず対応している。

「ね、ルリー。週末は空いてない?映画行こうよ!」

 何故か今まで水曜日にしか来たことない奏子と、王子さまの一人ジョージがカウンターでお酒を飲んでおり、ジョージにルリーは口説かれていた。
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