どんな君でも愛してる
 その気持ちを汲み取ったのか、悲しく笑いながら瑠璃は話しかけた。

「奏子さん。気にしないで下さい。……直接言われたわけじゃないないけど、セフレなのは分かってたんです。だから……私……。」

「えっ?」

「電話で話してるの聞いて……。」

 そうかと呟きながら、それ以上は聞いてこなかった。

*******

「上手く行ったか?」

「……恥かいたわよ!!」

 会社から離れた隠れ家的なbarの個室でお酒を飲む男女の姿があった。

 ネクタイを緩めている男性と、髪の毛を乱しながら次々にお酒を飲む女性。浩一とめぐみだ。

「だろうな。上手くいかなかったから今、いるんだし。」

「もう、みんな明日聞いてくるじゃない!」

「ま、上手くかわしたら?」

 ニヤニヤといつになく笑う浩一に、めぐみは睨みながら浩一のネクタイを引っ張った。

「分かってんの?私が花嫁になるように協力するんでしょ?全然分かってない。」

「分かってるよ。お前に協力したら俺にもおこぼれがあるんだし。でも、スパイが俺達っばれるのも時間の問題じゃないか?」

「だから、今のうちに懐に入り込むんでしょ?」

 そんな怪しい会話を二人はしながら、今後の展望をお酒のつまみにしながら、ネオンの光が闇にのまれるまでお酒を酌み交わした。
< 51 / 69 >

この作品をシェア

pagetop