どんな君でも愛してる
裏missionー誤算ー
 響介は社長室の自分の椅子にふんぞり返っていた。

 あの水曜日から最悪なことばかりだ。

 こんな時、煙草愛好家なら煙草をすって落ち着くんだろうが、煙草を吸わないため落ち着かないし、だからと言って酒がいくら好きでも、真っ昼間から飲むことは出来ない。

 水曜日に瑠璃に逢えず、癒されていないため、逢いたくてしかたかった。barで逢えても、ルリーとキョウとして逢うと、あの、はにかんだ笑顔には逢えない。

 だからずっとイライラして、週末こそはと会いにいったら何故か姉貴と買い物に出掛け、姉貴の部屋に泊まっていた。

 二人で逢えないことはしょうがないと諦めたら、何故か暁めぐみの猛アタックが始まり、週明けの今日、会社に行くと、周りの人から"婚約おめでとう"と祝福をされた。

 俺が否定しても、当の本人、暁めぐみは顔を赤らめて否定も肯定もしない。

 極めつけには、取引相手から早々に婚約祝いの花等が届き、社長室を埋め尽くしていた。

 この状況を招いたのは、確かに自分自身だ。

 あいつの挑発にのって、あの場から暁めぐみの手を引いた自分自身なのに、イライラしてしょうがない。
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