この恋が罪だとしても


――キーンコーンカーンコーン。


「あ、予鈴だね、ちょっとのんびりし過ぎたか」


そう言って、八雲が立ち上がる。

それに合わせて私も立ち上がると、スカートのポケットからテディベアーが落ちてしまった。


「あっ……」

「あぁ、それまだポケットに入れてたんだ。落ちちゃうなら、カバンにでも付けときなよ」


そう言って、八雲は落ちたテディベアーを拾うと、私のカバンにつけてしまった。


「こ、これはまずいでしょ……。泉くんが北園さんにあげたものなのに」

「えー、だって捨てたんでしょ、北園さんは」

「それは……記憶を失う前の北園さんで……」


だから、私はいつかこの子を返さなきゃいけない。


もう、愛着が湧いてしまったけれど、元の持ち主に返す時がきっとくる。


それに、今の北園さんなら……ちゃんとこの子を大事にしてくれる、そう思った。


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