この恋が罪だとしても



人と話すのは苦手。

正直、学校も楽しくはないし、私はピアノさえ弾ければいいと思ってた。

……この人に出会うまでは。


「ピアノ、弾いてきたのか?」

「あ、うん……」


うんって……。

もっと、会話が弾むようなこと言えたらいいのに……。

もともと口下手な上に、緊張も重なって、うまく話せなかった。


「そうか……」


そう言って泉くんとの会話が終了してしまう。

せっかく隣の席なのに、私の臆病者……。

自分に悪態をついて、ガッカリしていると、泉くんの前の席に北園さんが座った。



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