豹変カレシのあまあまな暴走が止まりませんっ!
夕方、携帯に玲から連絡が入った。

『早く帰れそうだ。夕食を作っておく』

定時上がりの私と比べて、仕事の帰りが遅い玲。
平日は一緒に食事をすることはないのだが、まれに早帰りの日があったりすると、こうやって連絡をくれたりする。

夕飯、作ってくれるんだ。ラッキー♪
今日のメニューは何だろな♪

玲のレパートリーを頭に思い浮かべながら、返信を送った。

『パスタがいい』



家に帰って荷物を置いて、部屋着に着替えたあと、玲の部屋へと向かった。

玲の部屋はいつも綺麗に掃除されていて、私の部屋と同じ間取りであるはずなのに、別の物件みたいだ。
ごちゃごちゃとしたものがなく、シンプルなリビング。
目立った物と言えば、テーブルとテレビと、部屋の端にあるミシン台くらいか。
そして隣の寝室は、四方が洋服に埋め尽くされていて、さすがは服飾関係の方、といった感じだ。

今日は珍しくテーブルの上が散らかっていた。
白い紙に濃い鉛筆で幾重にもなぞられていたのは、綺麗な服を着た女性――デザイン画だ。
その隣には色見本と生地見本のバインダー。

「早かったな。すまない。仕事をしていた」

玲がそそくさとテーブルの上のものを片して寝室へと運んでいった。
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