そして僕らは
君という存在




新しいクラスにも慣れつつある、6月。





君を初めて目にした、あの桜の木もピンクと緑がすっかり抜け落ちてしまった。




紺野咲という、君の名前を知った今でもその名前に慣れることはなくて、相変わらず君と呼んだ方がしっくりくる。






当然、人気者の君と平凡な僕が交わることもなく、同じクラスという共通点だけの平行線のまま。





少し寂しいような、安心したような不思議な感覚。





休み時間中の騒がしい教室の中、担任が教室やって来た。



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