好きな人は幼馴染み
3 英輔サイド

チッ!


またアイツかよ。
いつも挑むような顔で俺を見て
有無も言わさず
亜子をかっさらっていく。


俺と亜子と菜摘はガキの頃から一緒に育って、微妙なバランス関係を保ちながらも上手くやってきた。



俺と菜摘は小さい頃から器用な方で
菜摘と俺は中1までは身長も身体能力も学力も全て互角で
年齢よりも少し年上に見える見た目も
同じで…
違う所と言ったら
菜摘は明るく良く喋るし
自分の意思をはっきりと相手に伝える。
(逆に俺は無愛想…)


中2になった頃には男と女の差が出てきて身体能力の差は出てきたけど
今だに最高のライバルだと思ってるし、俺は心底菜摘を尊敬してる。



それと比べて亜子は小さい頃から鈍臭くて今だに鈍臭い。



長身の俺らの一歩後ろを
いつもちょこちょことニコニコしながら着いてきてた。
ちなみに身長は女子の平均より少し低いくらいで特別に小さいわけじゃない。
俺が185センチ、菜摘が165センチ
だから、俺らが平均より高いだけなんだけど。
亜子は156センチだそう。



勉強も運動も出来ないわけじゃないけど目立って飛び抜けてるわけでもない。


だけど、誰よりも優しくて
他人優先な不器用な性格で
俺をハラハラさせる。


料理や裁縫が神レベルで上手くて


亜子は俺と菜摘が持ってないモノで
出来てるんだ。


肩にかかるかかからないかの長さの
色素の薄いふわふわの細い髪の毛は
ずっと触っていたいくらい柔らかくて
色白で大きな瞳が実年齢よりも少し
幼く見える童顔。


俺らは直毛のストレートヘア
これも亜子とは正反対


大きくパッチリとした瞳で
パーッと笑う笑顔が
天使みたいで可愛くてしょうがない。



そう、俺は亜子が好きなんだ




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