好きな人は幼馴染み
教室を飛び出したマコトくんは
一目散に廊下を歩いてく



「マコトくん??どうしたの??
なに?!なになに??!」



私の質問に答えずに
私を引っ張るように
ズカズカ前だけを見て歩く
マコトくん。


特進Sクラスの教室を通り過ぎた時


もう片方の腕を後ろから
捕まれたので振り返ったら



そこにはエイちゃんが
少し怖い顔して私の腕を強い力で
掴んでいた。



「エイちゃん!!イタッ…」


さっきまでうんともすんとも言わなかったマコトくんが立ち止まって振り返ると


やっと正気に戻ったマコトくんは
私の腕をパッと離すと


「あっ!ごめん!亜子ちゃん
痛かったよね??ごめんね。」



「ううん、大丈夫だよ?
ちょっとビックリしたけど…」



私たちのやりとりを黙って見てた
エイちゃんは私の腕を掴んだまま


「…亜子に触んな…」


と、射抜くような瞳で
マコトくんを見ると


「ハッキリしないてめぇに
言われる筋合いねぇ」


見た事もないくらい怖い顔して
マコトくんが言った。


エイちゃんはともかく
マコトくんもこんな怖い顔するのね…



マコトくんの言葉に
少し考えるような仕草を見せた
エイちゃん



「…ハッキリしないって、なにが?」



「てめぇだろーが!
そんなんだったら
亜子ちゃんは渡さない」


その言葉で完全に誤解した様子の
エイちゃんは
私をグイッと後ろに下げて……
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