好きな人は幼馴染み
そんな素振り今まで見せた事
無かったじゃねぇか…



でもな、菜摘はダメなんかじゃねえよ。
菜摘の良いところはたくさん知ってるし
菜摘の考え方は俺と似てるから良くわかる。


俺が亜子の気持ちを考える余裕も
ないほどに亜子が好きなのと同じなんだよな…


気がつかなくてごめんな。


「…菜摘…
お前はダメじゃない」


「もう!きちんとフッてくれないと
諦められないじゃない!!」


「…ああ、ごめん。菜摘。
お前の事は親友と思ってた。」


「そう、私は英輔の親友なのね…
恋人にはなれないのね……」


ごめんな、菜摘。
菜摘もまた俺にとっては大切な奴だから
断わる事は俺も辛い…


「俺は亜子が好きなんだ…」


俺の言葉を聞いた菜摘は


綺麗な顔で微笑むと


「ふふふ(笑)
そんなのずっと前から知ってる。
だって、英輔はアコの前だとデレデレだもん。独占欲の塊!
私は親友のアコを英輔にとられるのも
好きなアンタをアコに取られるのも嫌なただの駄々っ子。
英輔の気持ちに全く気がついてなくて
アコは変に誤解してる」


そうか、亜子は俺の気持ちに
気がついてないのか…


「…そっか…」


「ほら、私が何を言っても
アンタの心は動かせない。
またアコの事考えてる……。
でも、最後のお願い!
最後に私をギュッと抱き締めて…
そしたら幼馴染みに戻るから。」













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