好きな人は幼馴染み
6


はぁはぁはぁ


ああ、疲れた


マコトくんと咄嗟に
入った空き教室で息を整える私。



「亜子ちゃん、なんだかごめんね」



「えっ?こっちの方こそ
ごめんだよ?引っ張り回しちゃったね」



「いや、俺は亜子ちゃんが無理して
笑ってるのが耐えられなくて
どこかで泣かせてあげたかった」



「マコトくん、ありがとう!
でも、私は平気だよ?」



「ねぇ、亜子ちゃん、俺思うんだけど
亜子ちゃんは自分で考えてる以上に
長瀬の事が好きだと思う。
そして、竹下さんの事も
大好きなんだね?
だから言えないんだね……」



「なっちゃんはいつも真っ直ぐで
私に真正面から向かってきてくれるのに私嘘言っちゃったの。
なっちゃんの事を好きな気持ちと同じだよ?って……
本当はなっちゃんと同じようにエイちゃんが好きなのに……」



「そっか、だから亜子ちゃんは
黙って身を引こうと思ったんだね……
でもね、俺、思うんだけど……
長瀬は本当に竹下さんが
好きなのかなぁ…?」



「エイちゃんがなっちゃん以外の人好きになるなんてあり得ないよ!
エイちゃんとなっちゃんはしょっちゅう喧嘩してるけど、それは仲良しの裏返しなの。エイちゃんはいつもなっちゃんを影で褒めてるんだよ?
それにエイちゃんは無口なのに
なっちゃんとは良く喋るんだよ!」
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