きっと、君だけは愛せない
「さあ、次はお前の番だぞ」

「うーん……おもしろいところ」

「そうか? じゃ、さばさばしてて話しやすいところ」

「え、長い! ずるい! じゃあねえ、家事の分担とか進んでやってくれることろ」

「思いっきり笑うところ」

「笑顔がくしゃっとしてて可愛いところ」

「いつも楽しそうにしてるところ」

「しゃべり方が優しいところ」

「おはようとかいってらっしゃいとかお帰りなさいとか挨拶しっかりしてくれるところ」

「友達を大事にしてるところ」

「仕事がんばってるところ」

「仕事ばりばりやってるところ」

「本の趣味が合うところ」

「映画の趣味が合うところ」

「寝起きのぼうっとしてるときの顔がマジで可愛い」

「寝起きのぼさぼさ頭がいつもとギャップがあって可愛い」

「酔っぱらってたまに床で寝ちゃったりするのも可愛い」

「そういうときに黙って介抱してくれるところが優しい」


いつの間にか、文字数に合わせて進むのも忘れて、二人で手をつなぎ笑い合いながらゆっくり歩いていた。


「元彼のこと諦めて、俺のところに来てくれたの、ものすごく嬉しかった」

「私の嫌なとこも駄目なとこも全部受け入れてくれるところ、かっこよすぎてきゅんとする」

「俺のこと大好きすぎて、ニケにまで嫉妬してるところとか、悶絶するほど可愛い」

「私のことずっと好きでいてくれて、めちゃくちゃ大切にしてくれるところ、泣くほど嬉しくて幸せ」


なんだろう。

ただのろけてるだけな気がしてきた。

はたから見たら、完全にただのバカップルだよね。


でも、いいんだ。楽しいから。


「あ、ここで終わりか」


いつの間にか並木道の最後に来ていた。


「ミキ、勝たせてやるから先に行け」

「ええ? いいよ。ケイ行きなよ」

「お前が行って。ミキが勝ってくれないと困る」


よくわからなかったけれど、言われるがままに一歩踏み出した。


「よくやった。では、褒美をやろう」


ケイがおどけた調子で言ったので、私は思わず噴き出した。

あはは、と笑っていると、手を出せと言われたので右手を差し出す。


「右じゃなくて、左を出さないと褒美はやれない」

「え?」


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