もう一度だけでも逢えるなら
 水樹をのんびり会に連れていき、メンバーのみんなに水樹を紹介してみた。

 残念ながら、水樹の姿が見える人はいなかった。声が聞こえる人もいなかった。

 容姿を説明し、どんな声なのかも説明して、天使であることも説明してみた。もちろん、天使の活動内容についても。

 会長の明子おばさんをはじめとして、のんびり会のメンバーは、私の言うことを信じてくれた。



 どこ? どこ? どこにいるの? 

 ちょーイケメンなんでしょ?

 顔を見てみたいな。

 声を聞いてみたいな。

 あたしも天使の彼が欲しいな。

 水樹さんの会員ナンバーは、二十三番よ。

 のんびりしてねー。

 やだー、そんなに私を見つめないでー。

 みんな水樹に興味津々。

 温かく歓迎してくれている。



 マイダーリンは、私の隣にいるのよ。素敵な彼でしょ。



 みんなでゴロゴロ。みんなでのんびり。みんなでのほほん。

 のんびり会のメンバーは、全員女子。会長の明子おばさん以外のメンバーは、みんな若い子。

 セクシーキャミソール姿の女子。胸の谷間が見えるタンクトップ姿の女子。下着姿の女子。Tバック姿でうろうろしている女子。可愛い女子高生もいる。

 女だらけの、セクシーのんびり会。女の匂いがプンプン。

 みんなお構いなしに、いつものように過ごしている。




 水樹は終始、恥ずかしがっていた。

 目のやり場に困っていた。

 それでも、楽しんでいるように見えた。

 恥ずかしがりながら、また出席します。と言ってくれた。

 そのことをメンバーのみんなに伝えた。

 

 いつでもウェルカムよ。

 次回ものんびりしてね。

 水樹さん専用のベッドを用意しようかな。

 少しは疲れが取れたかな。

 マッサージをしてあげられたらいいのになあ。

 水樹さんって、エッチなの?

 今度は、赤のTバックを履いてくるね。



 水樹は、あっという間に赤面。



 のんびり会のメンバーは、みんな優しい。みんなおっとりとした性格。

 水樹の姿が見えないのが不思議なくらい優しい。

 でも、それで良かった。

 私は安心した。

 水樹は誰にも取られたくないから。
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