冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「そうか。王宮に戻るとなかなかな……」


王太子という立場になると、ニコニコ笑ってばかりもいられないのはわかる。
でも、こういう時間がもっとあればいいのにと、祈らずにはいられない。


「だが!」


突然声を大きくした彼は、私の頭の下の腕をグイッと持ちあげ、自分のほうに引き寄せる。


「えっ……」


すると、目の前にシャルヴェさまの顔が迫り、頭が真っ白になってしまった。


「なんと呼べと言った?」

「あ……すみません」

「今度間違えたら、お仕置きだ」


シャルヴェさまはそう言いながら、私の唇に指を這わせる。


「お仕置き!」


今度こそ、どこかに幽閉されるのかしら?
そんなのはイヤだ。


「もう間違えません。自由にさせてください」


王宮の中というだけでも不自由を感じているのに、部屋に閉じ込められるようなことがあったら耐えられそうにない。
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