冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「こんなに穏やかな気持ちになるのは久しぶりだ」

「そうなんですか?」

「あぁ、毎日ユノヘスをどうしたら守れるのか、どうしたら発展させられるのかばかり考えていた。こうして食べ物を口にしても、ろくに味わうこともなく、空を見上げてもなにも思わなかった。でも、リリアーヌが来てからは、空を見上げることが増えた」


どうしてだろう。


「私、なにかしましたか?」

「したのかもしれないな」

「えええっ、なにを……」


なにをしてしまったのだろう。
まったく心当たりがなくて焦ると、彼はフッと吹き出した。


「そういうところが……。なにも悪いことをしたとは言ってないだろう?」


それもそうだ。


「あの、よくわからないのですが、私は王太子さまが笑っていらっしゃるのが好きです」


今日みたいに、柔らかい笑顔をしている彼が好き。
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