冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「バスチュー、余計なことはいい」


シャルヴェが止めると「それは失礼しました」とにっこり笑う。


「お世継ぎがお生まれになった際には、お顔を拝見しに参ります」

「もちろんだ。いつでも待っているぞ」

「いつもは参りません。おふたりの甘い声を聞き続けるのは、なかなか刺激が強い……」


最後に爆弾発言をしたバスチューは、「それではまた」と馬にまたがり、何人かの部下を連れ、王宮を出ていく。


「バスチュー」


私がそのうしろ姿に思わず声をかけると、バスチューは振り向いた。


「必ず生きるのですよ。イヤールドの平和は、王太子さまとバスチューが作るのです」

「承知しました、リリアーヌさま」


バスチューはそう言うと、うれしそうに微笑んで今度こそ去っていった。
< 307 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop