冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
そして彼の部屋に着くと、窓の外に視線を移し突然口を開く。


「リリアーヌ。国王はもうなにもわからないのだ」

「なにも?」


どういうこと?
私が聞き返すと、シャルヴェは振り向き、私の瞳をまっすぐに見つめる。


「もう俺のことも、わからない」

「えっ……」


そんなにひどい状態だと知らなかった私は、口をあんぐり開けたまま言葉が出てこない。
でも、ここに来たとき国王さまがお呼びですと呼ばれて行ったような。

微かな記憶をたどりそれを思い出した私は、シャルヴェにそれを聞こうとすると……。


「今まで、国王の病状については、俺とバスチュー、ランシャンしか知らなかった。国王がそんな状態だと他国に知られることは、ユノヘスにとってなんの利益ももたらさないからな」


たしかに、一国をまとめる立場の人間がそんな状態であると知られれば、その隙をついてユノヘスを手に入れようと戦いを挑んでくる国もありそうだ。
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