冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
言い方はすこぶる丁寧なのに、目の奥がギラッと光っていて恐ろしい。


「そ、そうだったね」


シャルヴェも周りに誰もいないときは、ランシャンの前では威厳の欠片もない。

それもそうだろう。
いつもお尻をペンペンされていたのだから。


「それと……王位継承の準備も始めなければなりません」


ランシャンがそう言うと、シャルヴェの顔がキリリと引き締まった。


「わかっている。王に報告しなければならないしな」


そういえば、いまだシャルヴェの父親である国王に会ったことはない。
病に伏せっていると聞いただけ。

シャルヴェも、私に会わせようとはしなかった。


「シャルヴェ。私……国王さまに会わなくていいのかしら」


何気なく聞くと「そうだな……」と一瞬言葉を濁した彼は、私の腰を抱いたまま王宮の中に戻った。
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