一輪の花を君に。
それから朝食の時間になったけど、私はまともに朝食を食べることが出来なかった。



朝起きてからは、こんなに苦しくなかったのにな…。



私は、自分の食べた食器を片付けるために少しだけふらつく足取りで、キッチンへ向かった。





こんな様子、他の誰かに見られたら、心配かける。



自分でも分かるくらい、胸の音はヒューヒュー言っていた。





早く発作が収まってほしいと焦っているせいか、余計に呼吸がしづらくなって、食器を桶に入れた途端、その場に座り込んでいた。





「美空!?」




私の異変に気づいた大翔は、急いで駆け寄ってきた。



大翔は先に、食器を片付け始めていたみたいだった。




「ひろ…?」





「大丈夫、七瀬先生!」




大翔の声は、リビング中に響き渡り、何事かと皆まで一緒に出てきた。





「どいて!」




七瀬先生は、私の周りに集まる皆をかき分けるようにしながら、急いで処置セットと吸入器を持ってきてくれた。




「美空!意識は保って。大丈夫だから!」




七瀬先生が立てた膝に頭を乗せられ、半分身体は起こしているけど、正直身体は限界に来ていた。




「美空!」




私は、大翔のその言葉を最後に意識を手放していた。
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